都筑道夫の読ホリデイ 上巻(都筑道夫)★★★☆☆ 6/20読了

都筑道夫氏が、ミステリマガジンで14年にわたり連載されていた「読ホリデイ」を、氏の生誕80年を記念して出版。

色々な本の合間に断続的に読み継いでいた。一気に読むような本でもないし、その方がかえっていいような気がする。
結構昔の話なのかと思っていたが、最初の回が1989年だから、そんなに昔というわけではない。ミステリは読んでるつもりだったけど、取り上げている本はほとんど読んでなかったな。この時期はあまり読んでなかったのかな。そんな中、『羊たちの沈黙』とか『シンプル・プラン』とか、自分が読んで面白かった本が取り上げられているとなんか嬉しいんだよな。今トレヴェニアンの『シブミ』を読み始めたんだが、その『シブミ』に対する言及も最後の方にちょこっとあった。
取り上げているのはミステリだけではなくて、川柳の本とかノンフィクションとか多岐にわたる。立川志らくのことを褒めている回なんかもあって興味深かった。
あとは、訳文の不自然なところは散々こき下ろしてたね。そんな日本語はないとか、分かりにくいとか、動物や植物の名前をカタカナで書くなとかね。
取り上げられている本はもう古いし、内容は老人の繰り言めいているけど、それでもやっぱり面白かった。ポケミスと同じ版型に平野甲賀の装丁も実にカッコイイ。いつもは本にカバーを付けているんだけど、これには付けずに読んでいた。下巻も楽しみだね。

都筑道夫の読ホリデイ 上巻

都筑道夫の読ホリデイ 上巻