都筑道夫の読ホリデイ 下巻(都筑道夫)★★★★★ 9/10読了

都筑道夫が、ミステリマガジンで14年にわたり連載されていた「読ホリデイ」を、氏の生誕80年を記念して、出版。

最後の方は著者本人の体調が悪くなってきたり、奥様の死があったりして、読んでいて結構辛かった。それでも、連載の最初から最後まで読んできたので、最後はちょっと感無量になった。1つの回も省かずに全てを収録した出版社フリースタイルの英断に感謝したい。
寒い日本を離れ、長女の住むホノルルに滞在して、毎日映画館に通ってたっていう話は実に楽しそうだった。最後の方が辛そうだっただけに余計に楽しそうにしていたところが思い出される。
分厚い本は重たくて読むのが大変なんだよと散々愚痴っておきながら、『推理作家の出来るまで』という、ものすごく分厚くて重い本(しかも上下巻)を出しちゃってすみませんなんて謝っていたのも面白かった。ちなみに、この本で第54回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞した。
巻末に人名、書名、さらに映画とドラマの索引まで付いているので、データベースとしても役に立つ。本は図書館で借りることが多いけど、こういう本は買わないと意味がないね。

都筑道夫の読ホリデイ 下巻

都筑道夫の読ホリデイ 下巻