風に誘われ花に誘われ、ぶらりと歩いてみたくなった。婦人公論好評連載エッセイ、待望の単行本化。著者による写真多数。
「作家のとらえた幻想的な東京」という副題らしきものが表紙にあり、装丁もオシャレだ。いつもと違う町田康なのかと思ったが、結局町田康は町田康だった。
「東京飄然」っぽい文章は最初の早稲田ら辺から飛鳥山のくだりぐらいじゃないかな。その後は鎌倉から江ノ島になっちゃうし、串カツの話になってからはもう「東京飄然」っぽさはどこにもなくなって、いつもの町田康に戻っていた。まあ、その方が面白かったからいいんだけど。
それにしても、これ婦人公論連載エッセイだったのか。婦人公論読者には受け入れられていたのだろうか。