平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。
終戦の日の今日、上・中・下巻を一気に読み通した。
舞台は戦時下の広島県呉市。『夕凪の街 桜の国』同様、戦争の悲惨さを声高に叫ぶことなく、淡々としたタッチで物語は進んでいく。しかし、そうした淡々としたタッチだからこそ、当時のリアルな状況が切実に伝わってくる。
それにつけても主人公「すず」のなんと可愛くて、健気で、たくましいことよ。彼女のキャラクターがこの悲惨の物語にどれだけの救いを与えていたことか。
今の平和な世の中がある背景にはこの本に描かれているような悲惨な世の中があったことを決して忘れてはならない。そして、そのような状況を生き抜いた日本中の「すず」がいたからこそ今の自分がいることも決して忘れてはならない。
娘がもう少し大きくなったら、是非娘にも読ませたい。
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