ことばの大切なしくみ(=文法)がわかり、しくみを読者みずからが発見していく構成で通読でき、言葉の楽しさ、面白さ、そして発想の多様さを実感できる、画期的な入門書シリーズ。フランス語の「案内書」。
業務上の必要があって購入。とは言っても、この本を読んでフランス語をマスターしようなんて気はさらさらないし、そもそもこの本を読んでもフランス語はマスターできない。初歩の初歩の本だからだ。でも、エッセイのような本だから実にとっつきやすい。
フランス語のことは全く分かっていなかったが、フランス語って難しいね(今更だけど)。男性名詞や女性名詞があるし、それによって動詞や形容詞が変化してしまう。とてもじゃないが覚えきれない。逆に英語が簡単に思えるっていう利点はあったけど。
フランス語の翻訳をチェックしていて、「NC仕様」という言葉の対訳が「spécifications CN」となっていた。「CN」はてっきり「NC」の単純ミスなんだと思っていた。ところがこの本を読んでいて、そうではないのだということが分かった。フランス語では形容詞が名詞の後ろにつくので、頭字語が英語とは異なるのだ。「非政府組織」という意味の「NGO」(non-governmental organization)が、フランス語では語順が入れ替わって「ONG」(organisation non-gouvernementale)になってしまう。つまり「NC」(numerical control)が「CN」(commande numérique)になるというわけだ。あやうく「NC」に直してしまうところだった。こういうケースは他のヨーロッパ言語にもあるようだ。
大学での第二外国語は中国語だったから、こんな基本的なことも分かっていなかった。この本を読んでよかったよ。
フランス語のしくみ | |
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