ホルモー六景(万城目学)★★★★☆ 1/21読了

このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祗園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。四神見える王城の地に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。

図書館リクエストの長い順番待ちの末、ようやく読むことができた。『鴨川ホルモー』からのスピンオフ短編集なのだが、『鴨川ホルモー』を読んでから随分時間が経ってしまっていたので内容を忘れている。幸い、ウィキペディアに結構詳しくあらすじが書いてあったので、それで補えた。
思っていたよりも面白かった。1つ1つ独立した短編なのだと思っていたが、実はユルくつながりがあり、『鴨川ホルモー』を補足する部分もある。
「ホルモー」という競技の設定がそもそも面白いから、そこから派生させた物語も面白くなる。でもそれだけじゃなくて、この短編集には一編一編に工夫が施されていて、それが「ホルモー」と上手く融合しているのだ。個人的には、『ローマの休日』を題材にした「第二景・ローマ風の休日」と梶井基次郎の人生をベースにした「第三景・もっちゃん」がお気に入り。

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