バドミントンの全日本総合選手権最終日は16日、東京・代々木第2体育館で各種目の決勝を行い、女子ダブルスは、今大会限りでペアを解消する小椋久美子、潮田玲子(三洋電機)組が北京五輪4位の末綱聡子、前田美順(NEC・SKY)組を25−23、21−19で退けて5連覇を果たし、有終の美を飾った。末綱、前田組は3年連続の準優勝にとどまった。
第1ゲームはずっとスエマエが押していて、最後に追いつかれて、ジュースになってからはオグシオに主導権を握られた。第2ゲームはオグシオが序盤リードして、中盤以降盛り返したスエマエが点差を付けたのだが、ひっくり返されてしまった。
スエマエはあと一歩何かが足りず、オグシオの引き立て役になってしまった。試合終了後、末綱は今回でコンビを解消するオグシオを讃えるようなねぎらうような仕草を見せていたが、前田はそっけなく握手して立ち去った。
そして表彰式。準優勝の表彰台に前田の姿がない。あまりに悔しくて辞退したのかと思ったら、遅れてやってきた。やってきた前田を見て驚いた。嗚咽を漏らしながら泣きじゃくっていたのだ。本当のところは部外者には分からないが、多分それだけ悔しかったのだと思う。スエマエは2年連続決勝でオグシオに敗れ、今日も負けてしまった。そしてオグシオがコンビを解消するということは、もう永遠にオグシオには勝てないということなのだ。最後の雪辱のチャンスを逃してしまった前田の心中は察してあまりある。
笑顔のオグシオが表彰台でフラッシュを浴びる一方で、前田は吐きそうなくらいの嗚咽を漏らしながら表彰台を去って行った。まさに明暗がくっきり分かれた場面だが、オグシオの笑顔よりも前田の涙の方が100倍印象に残った。きっと前田は強くなるだろうな。