バベル ★★★★☆ 109シネマズMM横浜

壊れかけた夫婦の絆を取り戻すために旅をしているアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。バスで山道を走行中、どこからか放たれた銃弾が、スーザンの肩を撃ち抜く。なんとか医者のいる村までたどり着くが、応急処置がやっと。彼は英語がなかなか通じない村の住人たち、対応が遅いアメリカ政府に苛立ちを露わにするが・・。同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコは、満たされない日々にいら立ちを感じていた・・。


上映時間:143分
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリアガ
出演:ブラッド・ピットケイト・ブランシェットガエル・ガルシア・ベルナル役所広司菊地凛子二階堂智 、アドリアナ・バラーザ 、エル・ファニング 、ネイサン・ギャンブル

アカデミー作品賞を取れなかったのも頷ける。決して悪い作品ではないのだが、イニャリトゥ監督ならもっとやれたんじゃないかという思いが強い。モロッコ、メキシコ、日本でのストーリーが平行して進行していくのだが、その繋がりがちょっと弱い。最後に一点に収斂するのかと思えばそうでもない。わざと予定調和的にはしなかったのかなという気もするが、何となく納得がいかない。
批判めいたことを書き連ねたが、「そもそも人と人は分かり合えるのか?」「最後には分かり合えるはずだ」というような思いは十分に胸に響いた。俳優陣も監督の期待に応えたね。菊地凛子はむしろ全裸のシーンとかがない方が評価が上がったんじゃないかという気がする。同じくアカデミー助演女優賞にノミネートされたアドリアナ・バラーザも良かった。それから不覚にも私は全く知らなかったのだが、二階堂智という俳優が良かったね。結構重要で難しい役どころだったが、彼の演技は非常に印象に残った。