グラスに注ぐと、まずその色調に驚かされます。熟成によってレンガ色を帯びてはいますが、充分に色が濃いのです。早飲みタイプの赤ワインを熟成させた場合は色が薄くなってしまい、色と同じように味わいも衰えてしまうのですが、きっと皆さんもこの色を見たら、フォンベルの底力に期待が膨らむに違いありません。
そしてグラスからあふれ出る香りにもまた驚きます。ドライフルーツにシガーボックス、マッシュルームに黒トリュフ・・。良質な熟成ボルドーならではの香りが次から次へと楽しめます。口に含むとこの香りはさらに増幅し、甘草やなめし皮の香りも出てきます。
タンニンは角が取れて丸みを帯び、口の中を滑るように流れていきます。ワインが喉を通った後には、ビターチョコレートのような香ばしさとホロ苦さが心地よく残り、ラベルを見なければ誰もが熟成した特級ワインだと思うことでしょう。
イーエックスワインにて随分前に買ってあった一本。値段は2,880円。基本的にボルドーのワインは買わないのだが、やたらに褒めているのと、値段が手ごろだったので買ってみた次第。
抜栓直後に匂いをかぐと、ブルゴーニュではあまりかいだことのない香りがする。キノコ系というか森の中のような香りがした。色はボルドーにしては薄いかな。さすがに96年ということもあって、タンニンはまろやかになっていた。この値段にしては十分に美味しかったが、やっぱりブルゴーニュの方がいいなあ。
