『帝都衛星軌道』が存外面白かったので、こっちも読んでみたのだが、やや期待外れか。謎の提示自体はなかなかいいのだが、解決がちょっと拍子抜けだし、肉付けの物語にもあまりのめり込めない。昔読んだ『アトポス』のサイドストーリーなんかは結構引き込まされたんだけどね。
御手洗ものだが、石岡は出てこない。確かAmazonの書評で誰かも指摘してくれてたけど、この本を読むときには後ろの方をパラパラと見てしまってはいけない。舞台となるセントラルパーク・タワーのイラストが3、4箇所あるのだが、最後のイラストに本作のキモが描かれているからね。それにしても島田荘司は「地下」が好きだなw。
摩天楼の怪人 | |
島田 荘司 東京創元社 2005-10 売り上げランキング : 80088 おすすめ平均 奇想の復活 御手洗シリーズの新作 壮大なミステリ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
50年近く前の嵐の晩にマンハッタンの摩天楼で起きた殺人事件の犯人は私よ…。死の間際に往年の大女優が告白した。不可能犯罪の壮大な謎に御手洗潔が挑む。『ミステリーズ!』連載を大幅に加筆訂正して単行本化。