それで誰かを助けられるなら、うそぐらいつく。
大学のサークルを抜けたい姪のため、うその辞める理由を考えてあげたことをきっかけに、「うそ請負人」として職場の人からも頼みにされるようになったみのり。自転車置き場で、人間関係のストレス発散のために中山さんがとっていた思いがけない行動。部活を辞めた高校生の息子の心配と会社の年下の同僚の冷淡さに疲れ切った倉田さんが見つけた居場所。日常の困ったことどもをやり過ごし、目の前の「今」を生き延びるための11篇。
色々な媒体に書いた話を集めたものなので長さがまちまちになっている。好きだったのは「二千回飲みに行ったあとに」。娘が新入社員だったときに飲み会の幹事を何度もやらされて、店を決めるのに難儀していたのを思い出した。
表紙と裏表紙のイラストが可愛くて、どの話の登場人物がどこにいるのかを探すのが楽しかったね。