ケチる貴方(石田夏穂)★★★☆☆ 8/13読了

冷え性」と「脂肪吸引」。いま文学界が最も注目する才能が放つ身体性に根差した問題作!
第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と第38回大阪女性文芸賞受賞作を豪華同時収録。

『我が友、スミス』、『黄金比の縁』に続いて、3冊目。書いた順番的には、本書の「その周囲、五十八センチ」、『我が友、スミス』、本書の「ケチる貴方」、『黄金比の縁』になるようだ。個人的にいま最も注目している作家で、本作も面白かった。いくつか読んでいると、身体性や女性性、ジェンダーの問題などを取り上げることが多いようだが、主人公の会社内の話が特に面白いんだよな(描写の細かさとユーモアセンスで)。新作の『我が手の太陽』も楽しみだな。