ベンチの足 (考えの整頓)(佐藤雅彦)★★★☆☆ 5/19読了

今まで気が付かなかった巻き尺の不思議。知らない間につながっていた、あの歌姫との縁!
電車で隣の子どもが漏らした妙な言葉。故郷の小さな村で起きた大事件。
トースターは誰が発明したのか?なぞなぞ「家の中で一番年をとるところどーこだ」?など、
ともすると見過ごしがちな日常の「妙」に立ち止まる著者は、
その「妙」に魅了され、真髄に迫ろうと考察していきます。
ベスト・エッセイ(日本文藝家協会編)に選出された「向こう側に人がいる」「たしかに……」や、
カンヌ国際映画祭に正式招待されるまでが綴られた「5名の監督」、
本書のタイトルでもある「ベンチの足」ほか、全23編を収録。

『考えの整頓』も面白かったが、第2集となる本作も期待に違わぬ面白さ。日常の些細な引っ掛かりから様々なことを考察していく話は相変わらずの切れ味だが、著者の郷里である戸田村の話もとても良かった。