貸本屋おせん(高瀬乃一)★★★☆☆ 5/11読了

第100回オール讀物新人賞を満場一致で受賞した著者が、満を持して送り出す初の作品集。 選考委員の村山由佳氏が”読み終えるなり「参りました」と呟いていた”と選評に記した受賞作「をりをり よみ耽り」の世界を5篇の連作で展開する。 物語の舞台は、文化年間の江戸浅草。女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉の奮闘を描く。盛りに向かう読本文化の豊饒さは本好きなら時代を超えて魅了されることでしょうし、読本をめぐって身にふりかかる事件の数々に立ち向かう〈おせん〉の捕物帖もスリルに富んでいます。

時代小説を読むのは久しぶりかな。江戸時代に貸本屋なんてのが居たのを知らなかった。大河ドラマの題材に決まった蔦屋重三郎がちょろっと出てくるのもタイムリー。どの短編もちょっとしたミステリー仕立てになっており、主人公の「おせん」のキャラクターがいいね。「登」との恋路も気になるし、続編が出ればまた読んでみたいね。