球道恋々(木内昇)★★★★☆ 7/31読了

金なし、地位なし、才能なし―なのに、幸せな男の物語。時は明治39年業界紙編集長を務める宮本銀平に、母校・一高野球部から突然コーチの依頼が舞い込んだ。万年補欠の俺に何故?と訝しむのもつかの間、後輩を指導するうちに野球熱が再燃し、周囲の渋面と嘲笑をよそに野球狂の作家・押川春浪ティームに所属。そこへ大新聞が「野球害毒論」を唱えだし、銀平たちは憤然と立ち上がる―。明治球児の熱気と人生の喜びを描く痛快作。

滅法面白かった。明治の野球黎明期のお話。主人公の銀平以外はほとんどが実在の人物のようだ。主人公が長屋住まいということで、落語のようでもあり、展開的には朝ドラのようでもある。主題は野球だけど、恋愛以外のほとんどの要素が詰め込まれていると言っても過言ではない。人物造形も素晴らしいし、もっともっと話題になっていい本だと思うね。

球道恋々
球道恋々木内 昇

新潮社 2017-05-31
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