エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。
犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。
この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。
周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。
さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し……。
仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!?
貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。
読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。
まあ、賛否が分かれる作品だろうな。ラストが頂けないし、説明されていない事柄も多い(途中まではとても面白かったんだけど・・)。それでも、人の内面なんてどんなに身近な人にだって分からないということやマスコミを含めた世の中は分かりやすいストーリーを求めがちなのだという点は頷ける。
普通のミステリーに対するアンチテーゼとして、一応は「あり」なんじゃないかと思う。
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2012/08/18
- メディア: 単行本
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