優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。
読んでいる間中、いやーな気持ちが拭えなかった。かといって途中で読むのを止める気もしなかった。『ファミリーポートレイト』よりは面白いという妻の意見通り、確かに『ファミリーポートレイト』よりは面白かった。いや、面白いというのは変か。面白くはなかったな。『ファミリーポートレイト』よりは読ませると言ったほうがいいか。読んでいてずっと嫌な気持ちだったけど、最後の章だけはちょっと良かったね。
私の男 | |
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