第53回岸田國士戯曲賞発表

第53回岸田國士戯曲賞白水社主催)の選考会が1月26日(月)、東京神楽坂・日本出版クラブ会館で行なわれ、選考の結果、蓬莱竜太『まほろば』と本谷有希子幸せ最高ありがとうマジで!』が受賞作と決まりました。正賞は時計、副賞は二十万円で、授賞式は3月30日(月)午後6時より東京神楽坂・日本出版クラブ会館にて行なわれます。

いま活躍中の人気の2人が手堅く受賞したって感じだね。
選考委員の一人でもある宮沢章夫はブログでこう書いている。

すでに報道されているので、岸田戯曲賞の結果は周知のとおり。蓬莱さんと、これまで五回候補になりながらなかなか受賞できなかった本谷有希子の二人のそれぞれの作品に決まった。いろいろ書きたいことがあるし、なんか今回は、「冒険心」っていうか、方法への野心にあふれた作品っていうか、そういったものの評価がやけに低く、それをけっして否定するわけではないが、蓬莱さんのような「うまい作品」が受賞した印象。なぜ、こうなったかあとになって考えてみたんだけど、「冒険心」や「野心」「疑い」を持った作家の作品がまだ未熟だったのではないか。次に期待。でも、蓬莱さんの筆は見事としか言いようがないよ。とにかくうまい。あと、本谷は、「本谷的としか言い様のない個性」でぶっとばした印象。以前の作品に比べると雑になっているようにも思えたが。

長塚圭史は受賞できなかったけど、多分受賞は時間の問題だろうね。個人的には土田英生や青木豪を応援したい。