KERA・MAP#005『あれから』 世田谷パブリックシアター

3年ぶりに始動するKERA・MAPが、いつにも増した異色のキャストを迎えておくる新作公演。
夫婦に必要なのは、忍耐より隠し事なのか…?
親友に必要なのは、誠意より共犯意識なのか…?
ケラリーノ・サンドロヴィッチが初めて描く、熟年夫婦の倦怠と、彼らをとり巻く若者たちの日々。


[作・演出] ケラリーノ・サンドロヴィッチ


[出演] 余貴美子高橋ひとみ萩原聖人岩佐真悠子/柄本佑金井勇太赤堀雅秋村上大樹三上真史D-BOYS)/植木夏十/山西惇/渡辺いっけい高橋克実 


[公演期間] 2008年12月13日(土)〜2008年12月28日(日)
[劇場] 世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアターは二度目だけど、この劇場はいいね。「劇場」に来てるって気にさせてくれる。前回の『ロマンス』の時は2階の端っこの方だったけど、今日は1階のいい席だった。座席が斜めに配置されているから見やすいんだよな。
舞台装置、照明、音楽とどれをとってもスタイリッシュだったなあ。開幕直後からなんか圧倒された。舞台は階段状になっていて具体的なものは置かれていない。場面が変わるたびに照明がちょっと落ちた中を黒子たちがテーブルやらソファやらの装置を運んでくる。この黒子はナイロン100℃の研究生たちで、ちょっとした端役として芝居にも登場する。
役者たちにそれぞれ見せ場があって、みんなよかったね。最初の方は渡辺いっけいの出番が少なくて、ちょっと物足りなかったのだが、後半は結構出てきたし、最後にはあのハイテンションの演技も見せてくれた。
高校を卒業した「あれから」すったもんだあった二組の夫婦が「これから」を前向きに生きて行こうとするラストシーン。ちょっと強引なまとめ方だったけど、温かい気持ちになれたね。
一口にケラの芝居と言っても、きっと千差万別なんだろう。初めて観た私にとっては比較的取っつきやすい芝居で良かった。チケット代はそれなりにしたけど、それに十分に見合う芝居だったね。