自らを“ゾディアック”と名乗る犯人によってゲームのような犯罪が繰り返された、アメリカ犯罪史上類を見ない事件、「ゾディアック事件」。今なお解決に至っていない実在するこの事件をもとに、“ゾディアック”を追うことで人生を狂わされていく4人の男の姿を描いていく。徹底的なリサーチを元に「ゾディアック事件」を追いかけるというサスペンス映画としての側面と、事件に没頭していく4人の男を追う人間ドラマとしての側面の2つの顔がこの作品には存在し、それゆえ2時間37分という長尺映画ながらも観ている者を飽きさせない魅力を持っている。監督は『セブン』などで知られるデビッド・フィンチャーが務めた。
上映時間:157分
監督:デヴィッド・フィンチャー
原作:ロバート・グレイスミス
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
出演:ジェイク・ギレンホール 、マーク・ラファロ 、ロバート・ダウニー・Jr 、アンソニー・エドワーズ 、ブライアン・コックス 、イライアス・コティーズ 、クロエ・セヴィニー 、ドナル・ローグ 、ジョン・キャロル・リンチ 、ダーモット・マローニー 、リッチモンド・アークエット 、ボブ・スティーヴンソン 、ジョン・テリー 、ジョン・ゲッツ 、キャンディ・クラーク 、フィリップ・ベイカー・ホール 、ジェイソン・ワイルズ 、マット・ウィンストン 、ザック・グルニエ 、アダム・ゴールドバーグ 、ジェームズ・レグロス 、クレア・デュヴァル 、ポール・シュルツ 、ジョン・レイシー 、エド・セトレキアン 、ドーン・リー 、ペル・ジェームズ 、リー・ノリス 、ジョエル・ビソネット 、トーマス・コパッチ 、バリー・リヴィングストン 、クリストファー・ジョン・フィールズ
157分という長尺である。途中、さすがに長いなとちょっと思ったが、ぎりぎり退屈はしなかった。それだけ濃密な映画だった。
「ゾディアック事件」を新聞社側から追いかけるのが、ロバート・グレイスミス役のジェイク・ギレンホールとポール・エイブリー役のロバート・ダウニー・Jr。そして、警察側の担当がデイブ・トースキー刑事役のマーク・ラファロとウィリアム・アームストロング刑事役のアンソニー・エドワーズ。
この4人がピタリと役にハマっていて見ごたえがあった。個人的にはマーク・ラファロが良かったね。結局犯人が分からないという宙ぶらりんな結末なのだが、だからガッカリするかというとそうでもない。真相を追いかける過程が十分にスリリングでサスペンスフルなので見終わった後にかなりの満足感があるのだ。