噂(荻原浩)★★★★☆ 5/5読了

レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。

「衝撃のラスト一行に瞠目!」とか帯に書かれちゃうと、ミステリー読みとしては読まずにはいられないんだよな。噂はかねがね聞いているが、『明日の記憶』の映画化で更に注目度を増している荻原浩である。私は彼の作品を読むのは今回が初めて。
主人公の警察官の人物造形やその相方(女性の警部補)とのギャップなど、ツボはきっちり押さえてます。ストーリー展開も巧みです(途中ちょっとダレ気味になるけど)。そして、問題のラスト一行。これは良くできてます。あまりごちゃごちゃ書くとこれから読む人の興をそぐのであえて書きません。ただ一つ言えることは、いつもは解説から読む人も、この本だけは解説を読まずに頭から読まないとダメだということ。もし解説を読もうとして最後の一行を見てしまったら、それで一巻の終わりです。読む楽しみがなくなります。これだけは気を付けてください。

噂
荻原 浩

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