邪魔(上)(奥田英朗)★★★☆☆ 10/5読了

邪魔(下)(奥田英朗)★★★★☆ 10/9読了

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴一年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。

「初」奥田英朗作品にこの『邪魔』を選んだのだが、感想を一言でいえば「読ませる」ということになるだろう。とにかく先が早く読みたくなる。人物描写も秀逸で、各キャラが立っている。上記及川恭子の他に、九野薫という刑事と渡辺裕輔という不良高校生がそれぞれの筋の重要人物となり、そのそれぞれの筋が物語の終盤で収斂されていく。
些細なことから人生が狂っていく様がかなりのリアル度で描かれており、結構怖くなってくること請け合いである。桐野夏生の『OUT』にもちょっと似てるね。早く奥田英朗の他の作品も読みたくなってくるな、これは。

邪魔〈上〉
4062739674奥田 英朗

講談社 2004-03
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