アバニコ・セレクション エテルヌム・ヴィティ・ロス・コルミリョス 2016

通常古樹と呼ばれる樹齢(40-50年以上)の約3倍を生き抜いた、1870年代に植樹されたプレ・フィロキセラの単一畑により、トロの真髄そのものを体現したトップキュヴェ。黒果実、アジア系スパイス、ミネラルがぎっしり詰まった香り。凝縮感の塊のような果実は驚くほどキメ細かく、長く甘いフィニッシュには驚くほどのグリップ。別次元の密度と深みを備えた味わいには、うねるようなエネルギーの奔流すら感じられるモンスターワイン。
ティンタ・デ・トロ100%

これもFiradisでの試飲会で持ち帰ったワイン。残っていたフィリップ・ジャノ・マランジェを飲んでからこちらへ移行。色はかなり濃い目なんだけど、あまりタンニンがないので飲みやすい。ステーキにはよく合ったね。

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ドメーヌ フィリップ・ジャノ・マランジェ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2017

樹齢80年。赤&黒ベリーにバラやブラックペッパーのニュアンスが感じられる。フルボディーのリッチなフレーバーとしっかりとした酸のバランスが良く、若いうちから楽しめるフィネスを重視してつくられたマランジェ。

これもFiradisでの試飲会で持ち帰ったワイン。3本持ち帰って、どれも残りが7割くらいなので、2日で3本飲むことにした。というわけで、これはリースリングの後に半分ほど飲んだ。軽快な酸味で美味しかったね。

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クヴェアバッハ・エディション リースリング 2008

ヴィンケル村周辺のブドウを使用。海抜120mで南向き、土壌は粘土&黄土。熟成に由来するリースリングのエレガントな香りがありながらも、生き生きとした柑橘系果実のニュアンスも感じられる。口に含むと香り同様に上品な熟成感があり、一方でリンゴを思わせる爽やかな果実味が口いっぱいに広がる。中盤からはスパイシーで溌溂とした酸を感じ、十分なエアレーションをすることでフィニッシュにかけてミネラルがより強調される。

Firadisでの試飲会で持ち帰ったワイン。色が濃い目で非常にミネラリー。たまたま、割と塩味を利かせた鶏ジャガキャベツを作ったので、とてもナイスなマリアージュになった。

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ノースライト(横山秀夫)★★★★☆ 8/10読了

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに…。Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば…。このY邸でいったい何が起きたのか?

主人公の建築士が、ある家族に依頼されて家を建てた。ところが、依頼してきた家族が何故かその家に入居していないことが判明する。この謎が物語のきっかけなのだが、全体の5分の1くらいまで、その謎の周りをウロウロするだけで話が先に進まない。しかし、そこから話が転がりだしたらあとは怒涛の展開だった。普段、本は外出中に読んで、家ではあまり読まないのだが、どっぷり読みふけってしまった。面白かったし、最後は泣けた。

サバルテス・カバ・ブリュット・レゼルバ

CAVAのレコルタン・マニュピュラン!通常のカバが9ヶ月以上熟成のところ、シャンパーニュと同じく15ヶ月以上熟成されるのがレゼルバです。サバルテスでは更に熟成期間が長いため細かな泡と複雑味がもたらされます。
通常のドサージュが8g/Lのところ特注で5.5g/Lに。お客様からの「甘くて料理との相性がイマイチなカバがよくある」という声に応えるため、何度も試飲し、クオリティはもちろん最もバランスの良いドサージュ量を見つけることができました。よく熟したリンゴや黄色い柑橘系果実、レモンピールを思わせるフルーティな香りにクリスピーな酸を優しく包む果実味は丸くボリューム感も十分。ボディの厚みにつながる自然な甘みとすっきりドライな余韻が両立する理想的な味わいが実現しました!早朝に収穫されたフレッシュなブドウをプレスせず自然に流れ出たフリーラン果汁のみを用いるという贅沢な造りから、ピュアな旨みと滑らかさがそのまま映しこまれた味わいがもたらされる。よく熟したリンゴや黄色い柑橘系果実、レモンピールを思わせるフルーティな香り。クリスピーな酸を優しく包む果実味は丸くボリューム感も十分。ふくよかさと爽やかさのバランスが素晴らしい。
パレリャーダ38%、チャレロ31%、マカベオ23%、シャルドネ8%

ウメムラにて購入。スッキリしていて、かつふくよかさもあって美味しかったね。

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思わず考えちゃう(ヨシタケシンスケ)★★☆☆☆ 8/9読了

電車で、カフェで、自分の家で。「ついつい考えすぎちゃう」ヨシタケ氏がスケッチと共に書きとめた、まじめーな事から、世にも下らぬ事まで。たとえば―。「仕事のピンチを乗り切るには?」「いわゆる男女の仲って、何?」「他人のストローの袋が気になる」「孤独感を、どう解消するか」「明日、すごいやる気を出す方法」…。絵本作家ヨシタケシンスケの、「読むとクスッとしてホッとしてちょっとイラッとする」スケッチ解説エッセイ!

最初のうちは普通に読んでいたのだが、割と最初の方で「その場その場にいない人を悪者にして、悪口いいながらなんとかやっていけばいいんじゃないかな」みたいな話があって、首を傾げてしまった。結果としてそういうこともあるとは思うけど、提唱しちゃうっていうのはどうなんだろう。もっと驚いたのは最後の方の「あやつり人形になってあやつられたい」という話。とにかく何かを決める、選択するのが嫌で、誰かに決めてもらって、そのレールの上を進んで行きたい。もし戦争で上官から人を殺せと言われたら、言われた通りに遂行するだろう、みたいな話があって驚いてしまった。この考え方は非常にまずいんじゃないかな。こういう人たちがオウムに入信してサリンを撒いちゃったんだよな。それは極端にしても、選挙で棄権してしまう人たちの多くがこういう考えの人たちなのかなと思ったら、暗澹たる気持ちになってしまった。

みらいめがね それでは息がつまるので(荻上チキ、ヨシタケシンスケ)★★★☆☆ 8/6読了

みらいめがねは世界の見方を広げるツールです。日常と、世の中から、呪いを解いていこうじゃないか。至極の二人がお届けする、新感覚エッセイ。

荻上チキの文章を読んだのは初めて。なんかあんまり印象に残らないな。ヨシタケシンスケのイラストは良かった。