思わず考えちゃう(ヨシタケシンスケ)★★☆☆☆ 8/9読了

電車で、カフェで、自分の家で。「ついつい考えすぎちゃう」ヨシタケ氏がスケッチと共に書きとめた、まじめーな事から、世にも下らぬ事まで。たとえば―。「仕事のピンチを乗り切るには?」「いわゆる男女の仲って、何?」「他人のストローの袋が気になる」「孤独感を、どう解消するか」「明日、すごいやる気を出す方法」…。絵本作家ヨシタケシンスケの、「読むとクスッとしてホッとしてちょっとイラッとする」スケッチ解説エッセイ!

最初のうちは普通に読んでいたのだが、割と最初の方で「その場その場にいない人を悪者にして、悪口いいながらなんとかやっていけばいいんじゃないかな」みたいな話があって、首を傾げてしまった。結果としてそういうこともあるとは思うけど、提唱しちゃうっていうのはどうなんだろう。もっと驚いたのは最後の方の「あやつり人形になってあやつられたい」という話。とにかく何かを決める、選択するのが嫌で、誰かに決めてもらって、そのレールの上を進んで行きたい。もし戦争で上官から人を殺せと言われたら、言われた通りに遂行するだろう、みたいな話があって驚いてしまった。この考え方は非常にまずいんじゃないかな。こういう人たちがオウムに入信してサリンを撒いちゃったんだよな。それは極端にしても、選挙で棄権してしまう人たちの多くがこういう考えの人たちなのかなと思ったら、暗澹たる気持ちになってしまった。