永遠と横道世之介 上下(吉田修一)★★★☆☆ 8/11読了

39歳になったカメラマン・横道世之介が暮らすのは、東京郊外に建つ下宿「ドーミー吉祥寺の南」。元芸者の祖母が始めた下宿を切り盛りするあけみちゃん、最古参の元芸人の営業マン礼二さん、書店員の大福さん、大学生の谷尻くんらとゆるーっと暮らす毎日に、唐突に知り合いのベテラン教師ムーさんの引きこもりの息子一歩が入居することになって……。下宿仲間たちと繰り広げる、温かくてしょっぱい人間ドラマ。 

ドラマらしいドラマはなく、淡々とした日常が描かれる。その何気ない一日こそが大切だと世之介は教えてくれる。下巻に入って、『永遠と横道世之介』にもうひとつの意味があったことが分かる。世之介が周りを幸せにしていくエピソード満載だが、最後の方は、ちょっとお腹いっぱいだったかな。