黄金比の縁(石田夏穂)★★★★☆ 7/18読了

「会社の不利益になる人間を採る」
不当な辞令に憤る人事部採用チームの小野は、会社への密かな復讐を始める――。
(株)Kエンジニアリングの人事部で働く小野は、不当な辞令への恨みから、会社の不利益になる人間の採用を心に誓う。彼女が導き出した選考方法は、顔の縦と横の黄金比を満たす者を選ぶというものだった。自身が辿り着いた評価軸をもとに業務に邁進していくが、黄金比の「縁」が手繰り寄せたのは、会社の思わぬ真実だった……。
ボディ・ビルを描いた『我が友、スミス』で鮮烈なデビューを果たした著者が、本作では「就活」に隠された人間の本音を鋭く描く!

『我が友、スミス』が面白かったので期待していたが、期待どおりに面白かった。取り上げる題材もユニークだし、文章も上手くて面白いんだよな。個人的には、いま一番注目の作家だな。