泡(松家仁之)★★★☆☆ 8/31読了

男子高の二年に上がってまもなく学校に行けなくなった薫は、夏のあいだ、大叔父・兼定のもとで過ごすことに。兼定は復員後、知り合いもいない土地にひとり移り住み、岡田という青年を雇いつつジャズ喫茶を経営していた。薫は店を手伝い、言い知れない「過去」を感じさせる大人たちとともに過ごすうち、一日一日を生きていくための何かを掴みはじめる――。思春期のままならない心と体を鮮やかに描きだす、『光の犬』から3年ぶりの新作にして、最初で最後の青春小説。

初読みの作家。編集者としては「考える人 2010年 08月号」の村上春樹へのインタビューを読んだことがあった。既読感を感じる話だが、主人公の高校生が呑気症というのが面白い。ラストがあっさり目だったのも良かったかな。