なにごともなく、晴天。(吉田篤弘)★★★☆☆ 1/27読了

高架下商店街の人々と、謎の探偵。銭湯とコーヒーの湯気のむこうで、ささやかな秘密がからみ合う。新たな書き下ろしを含む完全版。

自分が読んだ吉田篤弘の本で女性が主人公なのはあまり記憶がない。本作は、主人公だけではなく、脇を固める人物たちもほとんど女性である。著者自身もあとがきで書いていたが、全体的な雰囲気は「つむじ風食堂の夜」にちょっと似ている。版型が小さいのも手に馴染むし、一話が短いので、布団の中で毎日寝しなに読んでいた。吉田篤弘らしい話でなかなか良かったね。