サンセット・パーク(ポール・オースター)★★★☆☆ 6/5読了

彼は28歳で、自ら知る限り何の野心もない。大不況下のブルックリン。名門大を中退したマイルズは、霊園そばの廃屋に不法居住する個性豊かな仲間に加わる。デブで偏屈なドラマーのビング、性的妄想が止まらない画家志望のエレン、高学歴プアの大学院生アリス。それぞれの苦悩を抱えた男女4人は、見捨てられたこの小さな家から、不確かな未来へと歩み出す。不安の時代をシェアする若者たちのリアルを描く愛と葛藤と再生の物語。

原作の刊行は2010年。リーマンショック後のアメリカを舞台にした群像劇。コロナショックに見舞われている現在においても、幸か不幸か、通用してしまう設定となっている。廃屋に不法居住するという設定が面白いし、不法居住する4人の若者も個性的だ。ラストは唐突に訪れるので、その先はこちらで想像するということになるのだろうな。