とめどなく囁く(桐野夏生)★★★☆☆ 11/4読了

塩崎早樹は、相模湾を望む超高級分譲地「母衣山庭園住宅」の瀟洒な邸宅で、歳の離れた資産家の夫と暮らす。前妻を突然の病気で、前夫を海難事故で、互いに配偶者を亡くした者同士の再婚生活には、悔恨と愛情が入り混じる。そんなある日、早樹の携帯が鳴った。もう縁遠くなったはずの、前夫の母親からだった。

同じ新聞連載小説であり、過去の事件を振り返るというところで高村薫の『少女A』と何となく似ている感じもした。海上で失踪した夫が死んでいるのか、生きているのか分からない状態で話は進むが、最後にはきちんと決着する。曖昧なまま終わると思っていたので、決着してスッキリした。