武士道エイティーン(誉田哲也)★★★★☆ 10/4読了

お気楽不動心の早苗と武蔵オタクの香織も高校3年生。早苗は福岡の剣道強豪校で新たな仲間を得て練習に励み、相変わらず硬派マイペースの香織も後輩の指導に頭を悩ませる日々。そして最後のインターハイが迫り――。2人の決戦の行方は? “わたしたちの時代”の武士道とは? 剣道に進路に迷う2人の真っすぐな姿に笑ったりじんときたり。早苗の姉・緑子や桐谷師範、吉野先生、香織の後輩・美緒など2人を取り囲む人々の「18歳」の物語も盛り沢山。好評青春エンターテインメント、見逃せないクライマックスです。

香織の章と早苗の章が交互に来るのは前作までと同じなのだが、本作では、刊行に先立ってWebで公開されていた脇役たちのサイドストーリーが挟み込まれている。その脇役とは、早苗の姉の緑子、桐谷玄明の兄隆明、福岡南の吉野先生、そして香織と早苗の後輩である田原美緒。この単独で読んでも面白いサイドストーリーが長編小説の中に上手く組み込まれているのだが、香織と早苗の話だけに集中したい人にはちょっと蛇足の感があるかもしれない。
私は夏のインターハイがクライマックスでそこで終わりなんだと思っていたのだが、そうではなかった。後日談が緩く続いていき、最後もやや曖昧な終わり方となっている。これはもしかすると、まだもう一冊くらい出るかもしれない。もちろん、本作で完結だったとしても十分に楽しめたけどね。

武士道エイティーン
武士道エイティーン
文藝春秋 2009-07
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star道しるべ
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