骸骨ビルの庭(下)(宮本輝)★★★★☆ 7/31読了

育ての親、阿部轍正は、子供たちの一人、桐田夏美への性的暴行の汚名を着たまま、苦悩のうちに死んだ。真相を求めて、八木沢は夏美の行方を追う。過去の謎が謎を呼び、秘密は深まる。一方、八木沢はビルにもう一度畑を甦らせようと一人耕し始める。そして、小さな命が蕾をつけるとき、骸骨ビルの本当の意味が明らかになる。自分は何のために、そして、誰のために、生きているのか?心の奥底から溢れ出す人間への讃歌。すべての生きとし生けるものへ贈る感動の長篇小説。

まず設定が興味深いし、骸骨ビルの住人たちの回想も読ませる。出てくる料理がまたどれも美味そうで参った。夏美のエピソードがうまく機能してない感じがして、そこはちょっと残念だったか。ラストをあまり盛り上げずに、サラッと終わらせたのは良かったのかもしれない。多少説教くさいところはあるが、かなり面白かったのは間違いない。

骸骨ビルの庭(下)
骸骨ビルの庭(下)
講談社 2009-06-23
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