1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。
そして2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である。
そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。
私たちが生きている現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。
目次の構成を見れば分かる通り、「青豆」の章と「天吾」の章が交互に展開する(『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』のように)。まだ途中だから何とも言えないが、『世界の終り・・』を超えて、村上春樹の最高傑作になる可能性があるね。
1Q84 BOOK 1 | |
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