阿呆者(車谷長吉)★★☆☆☆ 5/30読了

打算のことを、西欧では計算主義的理性と言う。その意味で「打算的人間」とは、すなわち「近代人」ということである。著者は近代人と付き合っているうちに、次第に、もう人間ではいたくないな、と思うようになって来た。―最後の文士による痛烈な現代日本社会批判。

朝日の書評に載っていたのが気になって図書館で借りてみたが、今までの本と大差はなかった。各所で発表されたエッセイの寄せ集めなので、同じような話が繰り返し出てくる。
小説を小説たらしめているのは「文学的トポス(場所)」であり、では「文学的トポス」とは何なのかを論じた「文学の基本」という一編はなかなか良かった。

阿呆者
阿呆者車谷 長吉

新書館 2009-02-24
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