2月文楽公演 女殺油地獄(近松門左衛門=作) 国立劇場

念願だった『女殺油地獄』。冷たい風が吹き荒れるなか、国立劇場まで行ってきました。去年観た時は左端の方の席になっちゃったんだけど、今回はほぼ中央だったので観やすかった。


全体的には理不尽で陰惨な話なのだが、ところどころで笑わせてくれる。例えば、「徳庵堤の段」でのお吉の娘お清のセリフ「かゝ様は、こゝの茶屋の内に、河内屋の与兵衛さんと二人、帯解いて、べゝを脱いでござんする」とか、「豊島屋油店の段」でのお沢のセリフ「こゝへは何の用がある。悪性する年でもなし」とか。


でもやっぱり一番の見せ場は「豊島屋油店の段」での殺害シーンだろう。与兵衛が油でツルツル滑るシーンは見応えがあった。でも端から端までツーって滑るところは何だか笑えるんだよな。
何度も何度も斬りつけるシーンでは、血は出ていないのに真っ赤な血が見えるようだった。この場面はどこも良かったけど、個人的に一番良かったのは、最初に一度刺した後に与兵衛が飛びすさって入り口脇のところにのけぞるようにもたれかかっていたところ。自分のやってしまったことに恐れおののいている感じが良く出ていた。


後から知ったんだけど、河内屋与兵衛を遣う人形遣い桐竹勘十郎さんのインタビューがありました。


http://www.ntj.jac.go.jp/topics/news090203_13.html