ゼア・ウィル・ビー・ブラッド ★★★☆☆ シャンテシネ

しがない鉱山労働者が、石油採掘によって富と権力を手に入れていく姿を描き出す大河ドラマ。だが、これは正統なアメリカン・ドリームの物語ではない。むしろ、アメリカン・ドリームを衝き動かしてきた闇の力“欲望”を、冷徹なまでの誠実さで赤裸々に描ききった魂の叙事詩である。主演はダニエル・デイ=ルイス。その圧倒的な演技力で、様々な賞を受賞した。監督は、21世紀の“今”を代表する映画監督ポール・トーマス・アンダーソン。『市民ケーン』『ジャイアンツ』と並ぶ古典的名作として大絶賛を浴び、こちらも多くの賞を受賞している。


監督:ポール・トーマス・アンダーソン
原作:アプトン・シンクレア
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイスポール・ダノケヴィン・J・オコナーキアラン・ハインズ、ディロン・フリーシャー

この映画において筋は半分どうでもよいのだろう。ダニエル・デイ=ルイスが演じるダニエル・プレインビューという人物が全てなのだ。実際、物語的にはやや退屈なのだが、ダニエル・デイ=ルイスの存在感はすごい。オスカー受賞も納得の迫力だった。