今回のワールドカップにおいて見えた日本代表の課題(その1)

<セレクションおよび選手起用に関して>

まず第一にジェームズ・アレジを連れて行くべきではなかった。まあこれはJKもミスを認めている。若い選手に経験を積ませるということだったが、出場の見込みの低い人間を連れて行けるほど日本に余裕はなかったはずだ。実際、怪我人続出で選手が足りなくなった。
アレジの件も含めて、今回のセレクションおよび選手起用の最大の問題はSOにあったと思う。選ばれたのは、安藤と小野とアレジ。トップリーグでプレーしていたのは安藤だけである。前にも書いたが、前回のワールドカップ以降、トップリーグで各チームがしのぎを削ってきた中で、選ばれたのは安藤だけである。他のSOの実力が足りないのか、JKの選び方が恣意的なのかポッと出の小野が選ばれ、トップリーグを戦ってきた他のSOは選ばれなかった。しかも、小野が出たのはオーストラリア戦だけで、それ以降はCTBで選出されたブライス・ロビンスがSOを務めるという迷走ぶりである。
そもそもトップリーグで切磋琢磨してきた中から安藤しか選ばれなかったというのが情けない。何のためのトップリーグなのか。そして、安藤の怪我があったとはいえ、SOとして選出された小野が、語弊を顧みずに言えば「捨て試合」にのみ先発で、重要視していた試合には本職ではないロビンスを使うというのは、セレクションから、サポートメンバーの選出から、選手起用から、もう何から何まで完全に間違っている。
4年後には同じ轍は絶対に踏まないで欲しい。とにかく怪我人をサポートメンバーとして連れて行かないことだw。それから、今までどこにいたのか直前までほとんどの人が知らなかったような人にSOの座を奪われないようにトップリーグの選手たちには頑張ってもらいたい(もちろん小野に恨みはありませんよ)。個人的には森田に期待している。ディフェンスをもっと鍛えれば「和製ミラー」になりうる素質はあると思う。


(続く)