2人のアラン

世界を駆ける伝説の「六つ星シェフ」
グループ・アラン・デュカス代表
アラン・デュカスさん(49歳)

 史上初の「六つ星シェフ」。98年、パリとモナコで運営するレストランがそれぞれ、フランスの料理ガイド「ミシュラン」の三つ星を獲得して以来の呼び名だ。しかし、厨房(ちゅうぼう)に立って采配を振るうことはもうない。パリとモナコのほか、香港、東京、ニューヨークなど9カ国で23店舗を運営する。総売上高は約60億円。「完全なビジネスマン。料理人ではない」。フランス在住の料理記者は言う。

「三つ星を返上へ」―。20日付のフランス紙フィガロは、レストランガイドブックの権威「ミシュラン」の格付けで最上位の「三つ星」を持つパリの有名レストラン「ルカ・カルトン」のオーナー兼シェフのアラン・サンドラン氏が、同店をより低価格で気楽なブラッスリー(カフェレストラン)に改造する意向を固めたと伝えた。

格付けに振り回されることに嫌気がさしたのが大きな理由とみられる。同紙は、一流シェフたちが格付けを気にするあまり神経をすり減らしている現実を紹介。「気楽に料理を作り、一息入れたがっている」サンドラン氏の行動を「小さな革命」と表現した。

二番目の記事は引用こそ産経からしているが、朝日の「ひと」の欄にもアラン・サンドラン氏が取り上げられていた。最初の記事も朝日の別刷りに載っていたものなので、時を経ずして「六つ星シェフ」のアラン・デュカス氏と「三つ星返上」のアラン・サンドラン氏が朝日で紹介されたことになる。ちょっと面白い偶然だなと思って取り上げてみた。

まあ、考え方は人それぞれだろうけど、庶民の私からすればやはりアラン・サンドラン氏の肩を持ちたい。実際、格調高い一流店よりもフレンドリーなビストロの方が、純粋に料理の味を楽しめるしね(格調高い一流店なんて行ったこともないというやっかみもあるけど)。ちなみにアラン・サンドラン氏の店は「新装オープン後は100ユーロ(約1万3500円)程度で楽しめるメニューがそろう見通し」だという。1万3500円“程度”かあ。それでも敷居は高いのお。

上の記事とは直接関係ないが、ワイン特集を組んでいる「BRUTUS」を購入。各界の著名人のお薦めワインが紹介されているが、なかでもKIKIというモデルの紹介している白ワインが気になるんだよなあ。楽天かどこかのオンラインショップにあったら買ってみようかな。