一途な思い

第28期朝日アマチュア将棋名人戦三番勝負(朝日新聞社主催、日本将棋連盟後援、日本アマチュア将棋連盟協力)は2日目の15日、静岡県伊豆の国市の「大仁ホテル」で第2、第3局が指され、挑戦者の吉田正和さん(19)=富山市=が朝日アマ名人の天野高志さん(37)=愛知県春日井市=に連勝し、通算2勝1敗で名人位を獲得した。

 19歳での名人位は第17期の蛭川敦さん(21歳で天野さんから奪取)を抜いて歴代最年少となる。

将棋の専門誌を買わなくなって久しいので、吉田正和さんのことは全く知らなかった。その彼のことが朝日新聞の「ひと」欄に載っていた。将棋に専念するために昨夏、埼玉の実家を出て富山市で一人暮らしを始め、多いときには一日に10時間も将棋の勉強をするという「将棋漬け」の日々を送ってきたらしい。

中学一年でいじめに遭って以来、学校には行っていない。現在は将棋を教えるなどして収入を得て、月4万円台の生活を送る。だが、将棋にかけるお金は惜しまない。「プロを目指している自分への投資だと思っています」
8月に奨励会の入会試験を受ける。「もうアマチュアには自分より強いと思える人はいない。とにかく強い人と指して強くなりたい」

すべてを排してここまでひとつのことに打ち込めるというのは、ある意味非常に羨ましい。5年後、プロのタイトル戦に登場しているかもしれないな。