騙る(黒川博行)★★★☆☆ 3/18読了

彫刻の縮小模型、蔵に眠っていた屏風、デッドストックのアロハ…こいつは金になる―。だましだまされ、最後に笑うのは誰?著者の十八番、傑作美術ミステリー!価値を知らない素人に、親切を装って作品を売りさばく段取りをつけるが―「マケット」。阿漕なホストに画廊勤務の経験があると知り、美術品を使って罠を仕掛ける―「上代裂」。技術の粋を集めてヴィンテージ・アロハの精巧な偽物を作るが―「ヒタチヤ ロイヤル」。資産家に偽物を掴ませた悪徳業者を懲らしめようと、ある策略をめぐらす―「乾隆御墨」。素人の蔵から重文級の屏風絵が出た。安く買いたたこうと芝居を打つが―「栖芳写し」。財荒難に陥った美術館が極秘に青銅器のコレクションを売るという―「鴬文六花形盒子」。

著者得意の美術ミステリー。『騙る』というタイトルどおりの騙し合いの短編集。軽いタッチでサラッと読める。でも、美術品に関する知識も多少得られる。ヤクザ、刑事モノもいいけど、こういうのもいいね。