明るい夜に出かけて(佐藤多佳子)★★★☆☆ 11/13読了

今は学生でいたくなかった。きっかけになったトラブルはある。でも、うまく説明できないし、自分でも整理がついていない。実家を出て、バイトしながら、まったく違う世界で、自分を見つめ直すつもりだった。「歴史を変えた」と言われる伝説のあのラジオ番組が小説内でオンエア!「青春小説」に名作がまた誕生した。

著者の佐藤多佳子さんは1962年生まれでこれが書けるのかぁ。感性が若いね。「アルコ&ピースオールナイトニッポン」のことは全然知らなかったけど、聴いた気になるほど、臨場感たっぷりの描写だった。生きづらさを感じている大学休学中の若者が主人公。深夜ラジオが心の拠り所だ。コンビニのバイトの相方が歌い手さんだったり、同じラジオのリスナーのちょっと変わった女子高生と出会ったりと、脇役もカラフルで面白い。希望が見えるラストで、なかなか良かったね。

明るい夜に出かけて
明るい夜に出かけて佐藤 多佳子

新潮社 2016-09-21
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