噂の女(奥田英朗)★★★☆☆ 8/12読了

美幸って、知っとる? この町のどこか夜ごと語られるは彼女にまつわる黒い噂──。町で評判のちょっと艶っぽいイイ女。雀荘のバイトでオヤジをコロがし、年の差婚をしたかと思えば、料理教室で姐御肌。ダンナの保険金を手に入れたら、あっという間に高級クラブの売れっ子ママに。キナ臭い話は数知れず、泣いた男も星の数――。美幸って、いったい何者? 愛と悲哀と欲望渦巻く人々を描く、奥田節爆裂の長編小説。

「噂の女」糸井美幸を巡る連作短編集。糸井美幸が主役という感じで出てくるわけではなく、あくまで「噂の女」として、各短編に出てくる趣向がなかなか面白い。
ちょっと「白夜行」の悪女を思い出させる悪女ぶりだが、あそこまで話は暗くない。各短編が妙に中途半端な感じで終わるのも新鮮だった。

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