『アフタースクール』の内田けんじが監督を担当した、さまざまな要素が詰め込まれた予測不能の娯楽作。ひょんなことから人生が逆転してしまった2人の男性を巻き込んだ物語の成り行きを、笑いとサスペンスを交えて描き切る。情けない主人公を演じるのは『ジェネラル・ルージュの凱旋』の堺雅人。そして『劔岳 点の記』などの香川照之が、記憶をなくす前と後でまったくの別人に変身する男を怪演する。彼らが真剣勝負で挑む人生を懸けた戦いに胸が躍る。
監督：内田けんじ
脚本：内田けんじ
出演：堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子、小山田サユリ、木野花、小野武彦
「運命じゃない人」は超絶技巧のパズル・ムービーで文句なしに面白かった。「アフタースクール」は「騙し」の要素を追求しつつも「運命じゃない人」ほど徹しきれず、ちょっと中途半端だった。
本作は、時間軸をいじったり、騙しの要素を追求したりというのはもうなくなっていた。そしてそれが正解だったと思う。そういうことをしなくても十分に面白かった。
堺雅人が売れない役者役というのも面白かったし、堺と入れ替わっちゃった香川が演技の勉強してるところも笑えた。そしてなんといっても、香川が堺に演技指導するシーンだよな。あそこは良かったね。
林和義とか内田慈が出ていたのも嬉しかったし、ヨーロッパ企画がセットで出ていたのにも笑った。
ラストは例によって、エンドクレジットと思わせて、もう１シーンある（先走って帰っちゃった人がいたけど）。お見逃しなく。
