最果てアーケード(小川洋子)★★★★☆ 9/20読了

ここは、世界でいちばん小さなアーケード―。愛するものを失った人々が、想い出を買いにくる。小川洋子が贈る、切なくも美しい記憶のかけらの物語。

さすが小川洋子だなって、読んでいる途中から嘆息することしきりだった。吉田篤弘栗田有起が書きそうな世界観だけど、小川洋子の方が筆致がしっとりしてるんだよな。
連作短編になっていて、主人公の女の子の年齢が話によって前後するところが面白い。
『ジェノサイド』のスケールの大きさとは対極にあるようなミニマムな作品だけど、小説としての面白さでは決して引けは取っていない。期せずして、正反対の醍醐味を味わえる2冊だった。

最果てアーケード

最果てアーケード