合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。
現在の日本の閉塞感を突きつけられているようで、読んでいると心がどよ〜んとしてくるんだよな。しかし、この5人の登場人物がどんどんドツボにハマっていき、それぞれの運命が交錯してくると物語的には面白くなってくる。群像劇の場合どう決着を付けるのかが見どころになるが、ちょっと既視感漂う安易な結末だったなあ。そこが残念。
無理 | |
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