「悪夢は悪魔、どうかよい夢に恵まれますように」毎夜、オテルモルには眠りを求めて人が集う。しあわせな眠りを提供する不思議なホテル。日常からほんの少し乖離した世界でもたらされる物語。チェックイン…日没後;チェックアウト…日の出まで最高の眠りを提供するホテル…オテル・ド・モル・ドルモン・ビアンホテルのフロントで働き出した希里が知る、優しい対峙の仕方。
なんとなく村上春樹の小説に似ている小説を読むと、すぐに「あぁ、村上春樹のアレとアレに似てるよ」という風に思ってしまうのは私の悪い癖だが、エレベーター、暗闇、双子、眠り・・とくれば連想するなというほうが無理だ。
希里というやや複雑な家庭環境を持つ女性が、最高の眠りを提供するホテル「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアンホテル」のフロントで働くことになる。そこで、外村さんという女性から仕事のあらましの説明を受ける。このホテルは、普通のホテルに比べて宿泊するための審査や手続きが厳しいのだが、そのことを受けて外村さんはこう述べる。
なにかを真剣に得たいと願うなら、それなりに手続きが必要だということです。
私にはこのセリフがとても印象に残った。これもまた村上春樹っぽいんだけどねw。
オテルモル | |
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