ダージリン急行 ★★★☆☆ シャンテシネ

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ライフ・アクアティック』と一筋縄ではいかないコメディを送り出しているウェス・アンダーソンの新作は、常連オーウェン・ウィルソンアカデミー賞俳優エイドリアン・ブロディ、『マリー・アントワネット』でルイ16世を演じていたジェイソン・シュワルツマンが3 兄弟を演じ、インドの大地を列車で走るという意表をついたもの。テーマはデビュー作から一貫している「家族の絆」だ。シリアスなドラマにもなりうる話を、新しいのか古いのかわからない独特のユーモアとペーソスでくるむスタイルは健在だ。なお本編前に、短編『ホテル・シュヴァリエ』が上映されるが、これは本編へのプロローグとなっている。


監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソンロマン・コッポラジェイソン・シュワルツマン
出演:オーウェン・ウィルソンエイドリアン・ブロディジェイソン・シュワルツマンアンジェリカ・ヒューストン、アマラ・カラン、カミーラ・ラザフォード、ウォレス・ウォロダースキー、イルファン・カーン、ビル・マーレイナタリー・ポートマン

頑張って早起きして9時半の初回を観に行く。初日だからか入場時にオマケをくれた。家に帰って見てみたら、ダージリンティーティーバッグだった(なるほどね)。客の入りは8割くらいだったかな。
「ユニーク」という言葉はウェス・アンダーソンのためにあるような気がする。この映画は他のどの映画とも似ていない。前2作ほど仕掛けは凝っていないが、ほぼ全編インドロケは見ごたえがあるね。プロローグの『ホテル・シュヴァリエ』ではナタリー・ポートマンのヌードも拝めるが、彼女はちょっと痩せ過ぎだな。ビル・マーレイも本作ではチョイ役なのだが、結構利いてるんだよな(オープニングのシーンは秀逸)。
本作ではスーツケースやバッグが結構重要なモチーフになっているのだが、これはルイ・ヴィトンのチーフ・デザイナーであるマーク・ジェイコブスが担当しているらしい。本作の前にルイ・ヴィトンのCMが流れて「人生は旅なのか。旅が人生なのか」というをやっていた。このコピーはたまたまこの映画のテーマにも実にしっくりくるんだよなあ。