フィリップ・パカレ・シャンボール・ミュジニー 2005

【リアルワインガイド[7]:92点】(2002年)村名シャンボール・ミュジニーは、この02ヴィンテージが初リリース。くらくらするほどのイチジクの甘い香り。それは子供の頃に鍋からつまみ食いしたイチジクの甘煮か、あの人とのバーカウンターでアルマニャックに添えられたドライフィグか。深く吸い込むといろんな感情が海馬を直撃、それだけでほろ酔いしそうな妖しさ。口にすれば、広がる甘やかさを制してくれる穏やかな酸味。時間とともにゆっくりと力強さがみえてくる。このまま身を任せたくなる。素になれる。

自然派の雄のように取り上げられるフィリップ・パカレ。ようやく飲んだ。抜栓直後はかなり固い感じだったのでデキャンタージュして置いておいた。それでも香りはあまりしない。ただ、大振りのグラスでスワリングすると甘いベリー系の香りが立ちのぼる。この甘い香りは独特だ。味わいもなるほどなと思わせるものがあったが、今やビオディナミで造っている生産者のワインを飲むことの方が多いから、驚くほどの美味しさではなかった。正直、この値段であれば他のワインを買ったほうがいいだろう。ただ、フィリップ・パカレを一度は飲んでみたかったのだ。


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