ラットマン(道尾秀介)★★★☆☆ 2/7読了

姫川亮は30歳。高校時代の同級生とロックバンドを結成して、もう14年になる。練習スタジオで起こった事件があぶり出す、彼らの過去と現在、そして未来とは? 鋭利なロマンティシズムが胸に迫る、鮮烈なるマスターピース

道尾秀介は今まで読んだことがなかったのだが、本書は各所で評判が良かったので読んでみた。
タイトルの「ラットマン」は見ようによってはネズミ、見ようによってはおじさんに見える絵のことを指している。このタイトルが暗示するように、過去のそして現在の事件が思い違いによって別の側面を浮かび上がらせる。
反則スレスレとも思えるミス・リードによって読者は著者によって翻弄される。でもそれが後で「上手いことやられたなあ」という感嘆に変わるのだ。
切ないラストも含めてよく書けていると思うが、もっと高いレベルを目指して欲しい。それができる作家だと思うので。

ラットマン
ラットマン道尾 秀介

光文社 2008-01-22
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おすすめ平均 star
star不思議な、しかし絶妙なタイトル名。
starラストまで気が抜けず…やられたって感じです!!

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