グリング第15回公演 Get Back!  下北沢ザ・スズナリ

舞台は、山間部にある民泊施設。
都会を捨て、ロハス的な生活に憧れる人々が集う宿。
雪がもうすぐ降ろうという頃、とあるグループが宿を訪れた。
女が2人に男が1人。
彼女らの訪れは、やがて、おだやかな日々を壊していく。
「純粋な目的で集まっていた集団が、内部から崩壊していく姿」を描く、青木豪、約一年ぶりの新作公演。


猫川 りん・・・漫画原作者。卓の従姉妹           片桐はいり
西村 晴子・・・作画担当                  萩原利映
宇野 好弘・・・背景担当                  中野英樹
藤森 卓・・・・民宿「すばる」のオーナー。りんの従兄弟   杉山文雄
藤森 杏子・・・その妻                   高橋理恵子演劇集団 円
井村 喜久夫・・杏子の兄。工場で働く            村木仁
南 雅臣・・・・東京から来た旅行者             黒川薫
片岡 紅葉・・・オーガニックレストランのアルバイト     遠藤留奈


作・演出   青木豪

下北沢に行くのは相当久し振りだ。スズナリは「東京ノート」以来だと思うから、いったい何年振りなんだ。案の定、ちょっと迷った。スズナリの場所を確認した後、まだ少し時間があったから、その辺をブラブラしていると、何と岩松了とすれ違った。茶色のコートに黒いジーンズ、岩松了だと知らなければ、完全にただのおじさんだ。これはきっとスズナリに行くんだなと思い、後をつけた。やはり向かう先はスズナリで、私は岩松了に続いて階段を登って劇場入りした。


席はA列なので本来は一番前なのだが、A列の前に3列ほど自由席ができている。A列と自由席の間には段差がないから、ちょっと前の人の頭が気になるんだよな。だから本当はB列以降の方がいいのだろう。足もとにゆとりがあって、足を伸ばせたのは楽だったけど。


芝居はいきなり緊迫したシーンから始まり、そこから時間が戻る設定になっている。幕間にはスクリーンが降りてきて、不思議な映像が流れるんだが、あれは必要だったんだろうか?
漫画の原作者と作画担当としてタッグを組んできたりんと晴子の仲が段々おかしくなってきて、間を取り持っていた宇野もおかしくなってくるというお話。ナマ片桐はいりを初めて見たけど、さすがの存在感だったね。今回は南を演じた黒川薫が儲け役だった。タロット占い好きの医学部生というあのキャラはなかなか笑わせてくれた(ちょっと顔が平野啓一郎に似ていると思うのは俺だけかな)。中野英樹がこの芝居のキーなわけだが、脇に退いている時の演技が良かったね。顔をひくひくさせて、段々おかしくなっていく様をうまく表現していた。前回の「ヒトガタ」でファンになった高橋理恵子は今回も良かった。役も服装も地味だったけど、やっぱり綺麗だよな。


ラストは微妙な終わり方。ハッピーエンドとも取れるし、そうではないとも取れる。ロウソクが燃え尽きるように、人間関係にもいつか終りが来るということか。個人的には、りんと南のラインが気になったのだが・・w。